2015年9月26日土曜日

釧路まで行きました

これまで何回も車で走った自分にゆかりのある道路を,自転車で走ってみたいシリーズ,最終回.

昨年,初の日勝峠越えで,札幌から十勝まで往復しました.

いつか,その先の釧路まで行ってみたい.38号線の海岸線のアップダウンを走ってみたい.
て,ことで行ってきました.シルバーウィークありがとう.

21日朝5時自宅発.
天気は,前日までの雨だったけど,晴れ.神様,ありがとう!!
日勝峠は昨年も越えてるからねー.装備もブルベ参加のおかげで,必要なものが絞れてきてるし,そろってるし,道路は274→38号線で間違えることも迷うことも無い・・で,ちょっと気楽な感じで出発.

しかし,樹海ロードがきつかった.こんなに斜度がきつかったっけ?ギアが売り切れてしまっておりました.
あの山を越えるの?
おまけに274の交通量が
今年は多い.トラックもバイクも沢山通って,トンネルが怖かったです.
えっちらおっちらで,石碑に到着.

こっから,まだあと二つ登って,ようやく日高町のセイコマ到着.
峠越え前の景気づけには,やっぱりホットシェフのカツ丼さ.

サイクリストと遭遇しました.夕張から,日勝峠を越えて清水までだったそうです.

日勝峠も2回目となると,よりいっそうの味わいです.600kmブルベの後遺症で膝が痛くて大変です.
4合目すぎてから斜度がきつくなりました.まだ半分も過ぎてないので,精神的に打ちのめされそうになりますが,慌てないで丁寧にペダリングするように,気持ちを保ちました.おかげで5合目を過ぎてから(かな?)斜度が緩くなり,8合目くらいまでそのままいけました.その後,斜度がまたきつくなりますが,もう最後なので乗り切ることができて,途中で足を着かずに日勝峠を登り切りました.うれしー.


何度見ても十勝平野の景色は最高.

清水町から,38号線の手前の農道を通って,目的地の芽室町へ.
農道の方が,畑が近くて,交通量が少なくて楽しく走れました.デントコーンの刈り取り&トラックへの積み込みが除雪作業の様に激しくて面白かったです.

久しぶりにあさひやのパンを購入することができました.小学生の時と同じ形のパン.
芽室の人はみんな,あさひやのパンで育ちました

こちらは息子さんがやっている帯広にあるケーキやさんのあさひや 

福井旅館に着いて1日目終了 197kmをおよそ10時間くらいでした.休憩は夕張と日高町の2回.
夕食は,鶏の伊藤の山賊上げ定食

22日早朝 朝5時頃 出発
帯広-釧路は浦幌でちょっとした峠があるだけのはず.膝が痛くても何とかなるでしょう.
釧路で泉屋に行くのに備えて,補給は少なめに.
豊頃でまさかの霧!橋を渡っていて,前が見えないし,後ろから大型車が来るしで怖かった.

浦幌から晴れてきて,快晴に!

車道の白線の外側に,居眠り運転防止のためか,凸凹が掘られていて,一番いいところが走れません.これより外側は道路があれているので,車道を走りますが,後ろから車が来ても,白線の外に逃げられないのが困りました.音別に入るくらいまで,この凸凹は掘られていた気がします.

音別(今は釧路市)に入ってから,「らしい」景色.右に灰色の海.思い出のマーニーの景色.ずっと続く38号線.時々アップダウン.

泳げない灰色の海

白糠に入ってからはアップダウンも無くなり,あとはひたすら平坦な道で釧路を目指します.
庶路(しょろ)を過ぎ,大楽毛・釧路市内に突入.
「しょろ」っていう響きが好きなんです

あとは,釧路を感じつつ,街中までのんびりと.
車では拾いきれなかったいろんな景色を楽しみます.
車では入れない,MOOの裏側を通って久寿里橋に到着.同期が開業したしろやま内科クリニックの駐車場に勝手に入って終了~
札幌から333kmでした.
MOOの裏側,釧路川

左端が久寿里橋 城山からの風景
釧路は秋が一番いい季節

墓参りに来たかみさんと合流.
念願の20年ぶりくらいの泉屋本店で,ご褒美ランチ.
スパゲティのミラノ風
驚くほどではないが,それでも出てくるのが早い.
鉄板熱々,面は山盛りという言葉では表せないくらいの,食べられないかもと思わせる盛り.
麺の間から,鉄板の上に油が貯まっているのがみえる.麺が焦げているのではなくて,揚がり続けている.
いざ,とりかかるが,麺が熱くて食べられない!乗っている生卵を崩すと,あっというまに完熟卵で,麺にからまない.
ミラノ風なのに,海苔がのってるわ,醤油味だわ,イタリアの雰囲気はみじんも感じられませんが,ソンなことは問題にならないくらいの迫力でした.完食.
かみさんの「ピカタ」という名前の,卵でくるまれたお肉が乗ったスパゲティも半分くらいもらいました.

帰りは車です.
高速道路が渋滞しそうだったので,清水で降りて274を走りました.
自転車でえっちらおっちら登った峠や樹海ロードが,車はなんて速いんでしょう,と,感心してしまいました.

と,言うことで天気よく,機材トラブルなく,身体も膝が痛いくらいでたいしたことなく,念願の釧路まで行けました.

もう,しばらく日勝峠越えや釧路到達はしなくていいかな.
十分満足しましたので.








2015年9月11日金曜日

尺骨神経麻痺

この度のブルベ600kmでの体のダメージは,やはり相当なものですが,なかでも今までに無かった初の症状は左の尺骨神経麻痺です.

左手の薬指,小指がしびれているのですが,それにともなって,左手の握力というかつまむ力が落ちているのが,けっこう困りました.チャックやボタンができないのです.
ものをつまんでひねる動作は,日常でも仕事でも,けっこうあるのですが,そのたびに工夫がいります.

専門職的に言うと,さんかつをひねることができないので,かてーてる治療がものすごくやりづらいのです.

4日経って,だいぶん力はもどってきて,つまめるようにはなってきましたが,まだ指はしびれています.

ちなみに急性期でも尺骨神経麻痺は鷲手になるのがわかりました.

2015年9月10日木曜日

BRM905PBP600km

初挑戦の600kmブルベはParis -Breast-Paris ならぬ,Pippu-Betsukai-Pippu のPBPという,素敵な名称のブルベでした.
上川地方から釧路地方まで往復する・・・道民でもわかりづらい距離感ですが,とにかく遠いと言うことだけはわかります.


参加人数は,こんなにも壮大な企画なのに,アットホームな15人.いやが上にも気分は盛り上がります.
天気は前日まで雨模様で,幸いにも出発日からは晴れ.
ブルベ参加の第一関門は,朝早いスタート時間.遊湯ぴっぷに前泊して,朝3時起き,寝坊すること無く,集合,5時スタート.

登り基調ですが,なんとなく体調がよくない感じ・・・わかりました.いきなりですが眠いのです.日常生活でも朝食後の午前中に眠くなることがあるのです.なんとかごまかしながら,浮島トンネル手前で,M田先生に追いついて合流し,下ります.滝上の第1PC.
参加者の方々,企画されたK林さんなどとわきあいあい.天気もよい.
こんな廃墟があちこちに点在している 夜ならかなり怖いでしょう
次に向かう鴻之舞は,過去に金がでる鉱山ですごく賑わったところと初めて知りました.しかし,いまは誰も住むものはなく,道路の左右に点在する遺跡?が,おどろおどろしい雰囲気を漂わせています.おまけになぜか,路上には無数のバッタ.どこまで行ってもバッタ!をふみまくり.
見えないかも知れないが,路上に無数のバッタ

どうも雲行きが怪しくなってきて,行く手には,「手前はドライだけど,ある地点から向こうはウエットになっている道路」がみえる.つまり,あそこは天気の変わり目.
これは雨区間から晴れ区間にでたところ
案の定,ウエットゾーンに入ったとたんに豪雨にみまわれる.天気予報の嘘つき.まぁ,山の中だし,ゲリラ豪雨的なものだから,そのうちやむでしょと,まだ楽観的でした.
降ったりやんだりしながら,エンガルのPC.セブンイレブンのドーナツ・・・まずかった.

望岩




ここから山を二つ越えて北見・端野へ.
新佐呂間トンネルは4000mもある長すぎるトンネルですが,「自転車はここを走って下さい」的な線が引いてあって,意外と走りやすかったです.
この白線の左側にちょうど自転車1台分のスペースが
トンネルを越えると,雨が小降りになり,むかーしからある端野のスキー場の横から39号線へ.
上空には真っ黒な雲があいかわらず垂れ下がっていて,まるで無数の「バルンガ」に北見地方が襲われているかのようです.


どうも,キューシートとサイコンの距離が合いません.この時点で2kmくらいずれている,はて.
そういえば,今回のブルベ参加直前に,念のためメーターの電池を替えたときにタイヤ周長の設定を間違えたのかも知れない・・
事の真相は,慌てて設定した時に画面に出た「700c」で設定したのですが,どうもそれではいけないらしく,700×23cにあたる”210”を入力しなければいけないようでした.ちゃんとマニュアルを見ましょう.反省.

R39を通って美幌に向かいます.再び雨が強くなってきました.
この道路は中学三年生の時に,美幌から北見の学力増進会まで,バスで通った道です.中島みゆきの詩集の文庫本を読んでいた,暗く,せつない子どもでした.

真ん中奥の赤い屋根が日甜の製糖工場
美幌が近づくと,父の職場だった日甜の工場が見えます.その向かいにある,美幌北中学校.すでに建て変わっており,掃除当番で石炭をくべに行ったあの木造校舎はありませんでした.
ちょっと寄り道して,住んでいた日甜社宅と30年ぶりにご対面.これで,今回のブルベの目的の1/3くらいは果たせました.
社宅
かすかにしか憶えていない美幌市街地を通って,第3PC.イートインのあるセイコマ.雨で寒かったのでお弁当をがっつり食べました.
ここまで雨だと,誰かを恨みたくなります.なぜか企画者のKハヤシさんを・・・次に考えるのは,自分が何か悪いことをしただろうかと.理論的では無いのですが,疲れなのかついつい考えていまいます.

雨の中,美幌峠アタック開始.車でしか通ったことが無い峠を自転車で登るのは楽しいです.30年前は美幌峠の頂上にアイヌの方がいましたね.
平均勾配は4%程度なのですが,後半は斜度がきつくなって,思ったより大変でした.雨も降り続いていて,夕闇も迫ってきて,不安が募ります.
美幌デュアスロンで,このきつい斜面を自転車で2周もするなんて,信じられません.

美幌峠頂上に着く頃には少し空が明るくなって,パノラミックな景色を楽しむことができました.峠を越えたら一気に天気が・・・・変わることは無く,ウエット路面のダウンヒル,屈斜路湖畔も雨の中~.
陽が落ちて,本格的なナイトランへ.道路がガタガタしていて,夜間走行はスピードが出せません.
弟子屈に宿を予約してあるので,やたらと急ぐ必要が無いのですが,そうは言ってもあんまり遅い時間に宿に入るのも迷惑だろうから,もうひとがんばりです.
夜になってから雨はやんできたので,冷え込むことはありませんでした.意外とアップダウンがある道を走って別海の第4PCのセブンイレブンへ.田舎で夜なのに,ものすごく賑わっていたコンビニでした.自衛隊員が,迷彩服のままビールを買っていたのが,すごく印象的でした.
ウエアは走っているうちに乾きましたがソックスはどうにもならないので,ここで買いました.コンビニって本当に便利で助かります.
来た道を引き返して,すれ違うブルベな方々とすれ違いながら弟子屈の宿ペンションニューマリモに到着.長い長い1日目が終了.走行距離はだいたい350kmくらい.着いたのは夜の九時過ぎで,順調すぎるほどの予定通りです.
初めての泊まりブルベにしては,すごく良い展開です.
ムービングハウスという小屋に素泊まりで,一泊2000円なのに,お風呂に入れる充実ぶり.

別海・弟子屈の空には天の川が肉眼で見えるほどの満天の星
 南こうせつの歌が聞こえてきます.ひとりぼっちのキミに降-るのは~

宿のご主人・ご家族も,こんな怪しげな自転車乗りに対しても,本当に親切な方々で感激してしまいました.

さて,寝るにはいいが,何時に起きたらいいのでしょう.
明朝一番の大イベント,津別峠を登ったところで日が昇るのがタイミングとしてはベスト.しかし,夜間走行は,怖いし危険なので,なるべくしたくない.それなりに疲れは取りたい・・・ここは泊まりブルベの経験がないので,難しい・・
2時は早い気がして,3時に起きて出発としました.布団にくるまりあっという間に意識消失,寝坊せずにちゃんと3時に起きられました.


CK1のセブンイレブンで朝食を摂って2日目開始.
弟子屈市街で,いきなり道を間違えてしまいました.グーグルマップで再確認してR241を引き返して,717に入れましたが,思わぬタイムロスしている間に空が白々と明るくなってきました.屈斜路湖畔になったらすっかり,夜が明けてしまいました.

これは,かなりの出遅れと感じつつ,たんたんと津別峠登りますが,誰もいません.10%くらいの斜度が8kmくらい続いて,さすがに疲れます.右に曲がって展望台への道が,またすごい斜度!そこで,本州から参加の女性にお会いできて,さらにY田さんにもお会いできました.
すっかり太陽は昇っていましたが,展望台からの屈斜路湖の眺め,雲海の拡がりは予想以上の絶景でした.
出遅れが幸いして,展望台ではちょうどM田先生の喫茶タイムが始まり,絶景をみながらの美味しいコーヒーをいただくことができました.
いつまでもここでのんびりしていたかったのですが,そうもいかないので,峠を下って次のPCへ向かいます.
早起きして,ヒルクライムして,食事をしたら,当然眠くなります.
今日は天気もいいです.
津別の道路は交通量が少なくてのどかでいいのですが,眠いです.ブルべは深夜でなくても,この眠さとどう折り合うかが,けっこう大事な問題とわかりました.かといって,こんな状況で仮眠もとりたくはない.ちょうど気温が上がってきたので,レインウエアを脱いで,サイクルジャージ+アーム&レッグウォーマーになってます.気分が良くなり,眠気が遠くなりました.
北見に向かい,訓子府でまたも眠くなり,半袖短パンになりました.手足の皮膚に風が刺激して,この上なく気持ちいいです.昨日とうってかわった晴天が嬉しいです.
39号線にでるとひたすらまっすぐな道.向かい風だったので,下ハン持って巡航モード.留辺蘂のPC6すぎて,金華峠をこえて丸瀬布へ.
何年か前にエンガルサンロードのレースで,買い出しに来た丸瀬布のセイコマでプリンを食べて,最終モードへ.
あとは北見峠を越えるだけ,,,っていってもまだ,峠まで40kmくらいあるのよ.

ブルベは最後の100kmの気持ちの持ちようが難しいです.どうしても「あとは帰るだけ」「早く帰って風呂に入ろう」とかしか考えられなくなるので,走行そのものを楽しめなくなってきます.

翌週はツール・ド・北海道が通るそうです.
35kmの登り基調といっても,残り10kmで俄然 峠らしくなってきます.シェルターがあったりして,北見峠は退屈しません.きつい登りだけれど,最後かと思うと,ちょっとしみじみしてきます.
いつのまにやら頂上越えて,あとはひたすら下るだけ.田んぼの中の町道を迷わないように気をつけて走ります.スキー場がゴールってことは,最後に登が待ってるって訳で,その1.3kmの登りが大変でした.

あの山にゴールがある!
機材トラブルも,体のトラブルも無く,無事に600km走破できました.よかったー.楽しかった-.
ずっとコースに付き添ってくれていたK林さんにレシートを確認してもらって,めでたく完了.

お疲れさん
振り返ると,


600km走る間に,なぁんにも考えていませんでした.34時間40分ものあいだに,何か一つでも建設的なことを考えられそうな気がしますが,何にも考えてません.かといって,退屈していたわけでも無い.自転車って不思議です.
ぼくは家でゆっくりしていたよ